そして男は蛇になった。クラウドアトラス考 [感想系]
物語の創造者は、名前にこそ最大の意味を込めます。
トム・ハンクス演じる主人公ザックリーの名前は、ザックリ言ってリュックサックを意味しています。ギャグのようでホントの話。
彼の存在は蛇を象徴しると感じられます。
最後にナイフで頬を切り裂かれますけど、傷口を縫ったあとが、まんま蛇の形でした。
しかも片目までふさがれて!
そして、ジャケットにもトムと並んで描かれている、ヒロインのハル・ベリー。
これはもうそのまんま、ハルの果実・・・
一言でいうと、この物語はエデンの園の物語だと思われます。
彼らはその果実を「運ぶもの」を象徴しています……。
それがリュックサック。それこそが蛇の意味でもあると思います。
鮮烈な印象を残すクローン美少女・ソンミ451は人魚姫を意味しています。
最後に泡と消えてしまう人魚姫は、ソープという名の薬(?)を飲んで眠りにつかされる・・・。
彼女は、圧倒的大多数の社会的な奴隷の象徴でもあります。
人魚はTVアニメ『凪のあすから』でも象徴された存在です
ナンバーの「451」はレイ・ブラッドベリの「華氏451」が元ネタでしょう。
紙が燃え尽きてしまっても、紙へと託された人の想いや情熱は滅びはしません。
それゆえの、書物への渇望・・・・人間精神への賛歌です
ソンミの名前は・・・ソンは「息子」、ミはまさに「蛇」ですね。
蛇が何を象徴するのか・・・おそらくですが、、世に言う陰謀論的なアレです(汗)。
奴隷解放運動というものを歴史の裏でやってる方々だと感じています。
同時にそれは革命です。ですから、ヤバさもそこにはあります。
私的に、彼らのメッセージがこの作品なのだと感じられました。
正直、彼らが「善なのか悪なのか」は知りません。
二元論の思考に陥ると、抜け出せない精神の牢獄に囚われてしまいます。
それは、人間の可能性を阻むものだと考えています。
ただ、作品はとても面白かったです
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